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遺物の材質および技法

遺物分析折法X線分析顕微鏡による元素マッピング法

■キーワード

  • 元素マッピング(元素の種類と分布)
  • 漆器の蒔絵
  • 金属器の象嵌
  • 陶磁器の染付
  • ガラス玉
  • 顔料分析

■目的

元素マッピング法は、遺物を構成する元素の種類とその分布を調べ、視覚的に表現する方法です。 遺物の材質を調べることにより製作技法に関する検討を可能にします。 さらにポイント分析により特定部分の定量分析ができます。

■対象試料

試料は、漆器の蒔絵、金属器の象嵌、陶磁器の染付、トンボ玉や雁木玉などのガラス玉、鉄滓、赤彩土器、耳環、絵画などです。 また、不明遺物もこの方法により検討することが可能となります。 元素マッピングできる遺物の最大サイズは縦10×横10×厚さ6cm程度です。 ポイント分析は10μmあるいは100μmの範囲を測定します。

また、遺物の形状を記録するためにデジタルマイクロスコープを用います。

船来山古墳群出土雁木玉
(糸貫町教育委員会提供)のデジタルマイクロスコープ画像
雁木玉の元素マッピング図
(緑:銅・青:マンガン・赤:鉛の合成写真)

■分析方法

試料は特別な前処理を必要とせず、簡単なクリーニングを行うだけで測定できます。 なお、測定は完全非破壊です。X線を照射することで測定を行いますが、その強度は低く遺物に損傷を与えることはありません。 なお、元素マッピングの画像はデジタルデータとして保管できます。

X線分析顕微鏡
(堀場製作所製XGT-5000 TypeII)