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生業に関わる方法

寄生虫卵分析

■キーワード

  • トイレ遺構
  • 糞便
  • 寄生虫卵分布図

■目的

堆積物より抽出した寄生虫卵から、糞便の有無について検討します。 また、その試料を採取した遺構について単位体積当たりの寄生虫卵個数からトイレ遺構であるか否かについて検討します。

■対象試料

試料は遺構底部付近の土壌や有機質土です。これ以外にも側溝などに堆積した水成堆積物も対象になります。 なお、寄生虫卵は有機物であるため花粉と同様に乾燥した土中では分解、消失してしまっていることが多いと考えられます。 試料の量は3cm3(最低1cm3)が必要です。

■方法

体積を測定した堆積物(試料)2cc程度を水酸化カリウム(10%KOH)処理傾斜法フッ化水素酸(46%HF)処理アセトリシス処理の順に 化学・物理処理を行います。こうした処理の目的は、砂などの無機物の除去です。処理後の残渣にグリセリンを適量滴下し、 全体積を測定して保存用とします。この残渣について適量(体積測定)を取り出しプレパラートを作成して、 生物顕微鏡(600-1500倍)を用いて寄生虫卵の同定・計数を行います。

回虫卵
回虫卵
鞭虫卵
鞭虫卵

■解析・考察

同定・計数の結果から寄生虫卵の産出表や分布図を作成し糞便の有無を検討します。 また、単位体積当たりの寄生虫卵個数からトイレ遺構であるか否かについて検討します。 単位体積当たり1,000個以上の寄生虫卵が認められた場合にトイレ遺構の可能性が高いと判断されています。

ただし、トイレとして使用されていた遺構でも堆積環境によってはわずかな寄生虫卵しか認められない場合もあり、 結果の解釈にあたっては注意が必要です。