業務案内

生業に関わる方法

獣骨・魚骨・貝類同定

■キーワード

  • 食生活
  • 狩猟
  • 流通
  • 生息域
  • 現生標本

■概要

獣骨・魚骨・貝類同定は、当時の食生活、地域間の交流、狩猟の地域および時期、動物資源の利用法、遺構の用途など、 過去の人々の生活を検討することを目的に行います。

岐阜市の加納城跡では大型のアワビやサザエなどが確認され、選択的によい食材を食していたと考えられます。 また、同遺跡では日本海産と考えられるタラなどが確認され、流通が広域に行われていたと考えられます (岐阜市教育委員会・(財)岐阜市教育文化振 興事業団,2002)。

■試料および同定方法

獣骨同定の対象は、哺乳類や鳥類のような大型のものから魚類のような小型のものまであります。そのため試料の扱いには十分な注意が必要です。 調査目的に合わせた試料採取方法を検討する必要があります。

同定は現生標本と比較することが基本となります。獣骨であれば部位、遺存度、左右、種などを同定し、計数します。 部位や遺存度によっては計測も行います。たとえば四肢骨であれば長さなどを、歯であれば全歯高(歯根中心部から咬合面中心部の距離)などを 計測します。魚骨は同定に有効な部位が限られています。同定に有効な部位の同定と計数を行います。 貝類は種、左右を同定し、殻頂部もしくは芯が2巻以上残っているものを対象として計数を行います。

主要な部位(イノシシ)
主要な部位(イノシシ)
魚骨の同定に使用される主な部位(樋泉,1995を元に編集)
魚骨の同定に使用される主な部位(樋泉,1995を元に編集)

■解析・考察

同定された試料を種ごとに出土部位をまとめ、それぞれの種の利用状況を把握します。 出土した主要な種の生息域などの特徴を理解し、狩猟地域や流通などを検討します。 また、獣骨の出土が特徴的な場合は、ほかの遺物の出土状況なども考慮し、その遺構の用途を検討することもあります。

■引用文献

岐阜市教育委員会・(財)岐阜市教育文化振興事業団(2002) (財)岐阜市教育文化振興事業団報告書第9集「平成12・13年度岐阜市市内遺跡発掘調査報告書」,164p.